「書く」のは…
ヒトは何故、書くのか…
そんなことをふと考えてみる。
一体、「書く」のは何なのか。
それはきっと「言葉」だろう。
地球上に存在する多種多様な生命体は、音を発し、互いに意識を伝え合ってきた。
そして、その一音一音に意味を持たせ、理解を深めていったのだろう。
それが無数の組み合わせにより生まれたのが「言葉」。
では言葉はどこからやってくるのか。
音を理解し、組み立て、互いに発し合う。
その為には、先ず「考える」ことが必要ではないだろうか。
例えば何か硬いものにぶつかった時には「ウゥ…」
何かを発見した時には「アッ!」と不意に声を上げる。
そんな反射的な時以外は、きっと何かを考えながら言葉として発しているだろう。
そしてその言葉は、自分の知っている言葉のストックからしか生まれない。
より多くの言葉を伝えるには、新たな言葉を得るしかない。
言葉=思考
思考の幅を広げることが出来れば、より多くの言葉を組み合わせ、自分の考えを相手に伝えることがスムーズになるだろう。
たくさんの思考に触れ、自分の中でその思考が一定の法則性を帯びてくる。
それが「哲学」ではないだろうか。
自分が何を感じ、何を思うか。
それは触れ合った思考の数から得られる。
人は誰かの考えに影響され、自己を形成してゆく。
言葉の支流
僕は、基本的には昔から「話す」のが好きな方ではない。
いや、”言葉を使って自分の事を話すのが苦手”という方がしっくりくる。
なので、「自己紹介」というのが本当に難しい。
初対面の人に、「自分はこういう人間です」というのが何となくはっきりと言えない。
人と同じ生き方はイヤだと思いながら生きてきた。
あなたはどんな人ですか?と聞かれても、言葉にしてきちっと伝えることが出来ない。
自分の中では、哲学や理想とする生き方は在る。
だがそれを、音の組み合わせで上手く伝えられない。
頭の中には言葉が飛び交っている。
伝えたい言葉がどんどん湧き上がってくるのを感じる。
でも、この言葉たちが音として表現されることはない。
頭の中に川が流れている。
その流れに乗って幾つもの思考が言葉として漂う。
それを拾い上げ、再構成し、外に出す。
そして、それは2つの支流に分かれる。
音として発する=「言霊(ことだま)」
物質(可視)化する=「文字」
自分が感じた事を誰かに伝える。
喜び、悲しみ、怒り、安らぎ、危険、発見・・・
ヒトは太古から言霊や文字を使って何かを伝えてきた。
先ずは言霊があり、文字はその後に用いられただろう。
言霊は、その音が聞ける時と聞こえる距離にいることが必要になる。
しかし、言霊だけだとその情報は聞いた人がまた誰かに伝えるということになり、少しずつニュアンスが変わってしまうだろう。
そして編み出された方法が「書く」ということかもしれない。
太古の人たちは、大切な情報をどうすれば正確に伝えられるかを考えたはず。
全ての考えを物質化し、伝承することは難しいかもしれないが、言霊のように消えてゆくものではない。
この消えゆく言霊のエネルギーをどうにかして未来に残したい。
そんな考えから「文字」という表現が生み出されたのではないかと感じる。
さっきは、思考が生んだ言葉が言霊と文字の2つの支流に分かれたと書いたが、”言霊を残すために文字を創った”とも思うようになった。
自分でこうかもしれないと考え、文字にする。
だが、思考を文字化し続けた結果、ほんの数分前の自分の思考が書き換えられた。
こういった意識の変換を起こしてくれるのは、文字化したおかげだろう。
自分が成長するためには誰か他の人の力(情報)が必要だと思っている。
だが僕は、自分の考えを文章にし、それと向き合うことで新たな発見をした。
これが、「書く」ということの本来持つエネルギーなのかもしれない…
心ヲ映ス
感じたり思ったことを文字化する。
この画面に映る文字は、文字というカタチをした「僕の思考」。
心や考えを映し出す、思考の鏡。
自分では自分を見ることは出来ない。
だから鏡がある。
だがそれは表面的な確認しか出来ない。
精神的、心の鏡とは「書く」ことで映し出される。
文字とは、誰かに伝える手段でもあり、自己を見つめる手段でもある。
書くことで自分に自信が持て、思考という核がエネルギーを帯びてくる。
自分の中で練ったエネルギーを放出する。
それを拾い集め、また自分に取り込む。
自己循環
鏡を見すぎると、粗が見え、それを整えたくなる。
僕の文章も改めて読むと、きっと整えたくなるだろう。
今までの自分なら…
だが、あまり整え過ぎないでおこうと思う。
少し恥じらいや緊張も覚えるが、感じたまま記しておく。
出来るだけ自然体の自分も表現してみる。
それが今の自分にとって、最も必要なことかもしれない。
”一丞しゅん”
この言霊が生まれる日まで…
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も貴方は素敵です☆