魅力向上委員会 shun です。
今回は「キスは生命に必要な栄養素☆スキあらばキス Part2」ということで、「キスがもたらす恩恵」について綴って参ります。
Part1はこちらです。
生命の神秘
混じり合う
二人のの唇が触れ合い、混じり合うと、お互いの抗体が唾液を通して暗躍する。愛を交わし合う二人はその行為により肉体が更なる免疫力を得、強化される。時と共にお互いは細胞レベルで共有され、絆の鎖で引き寄せ合い、寄り添ってゆく。
溢れだす
彼の口づけは彼女の最も深いエリアにある甘美な部屋のロックを解除する。その部屋の泉から溢れだすエストロゲンが彼女の全身を駆け巡る。身体の内側が熱くなり、その柔らかな器から美のカーニバルが静かに騒ぎ出す。華麗なる旋律は打ち寄せる波のよう、涸れることはない。
包み込む
男は力強く抱きしめながらも微睡みに揺蕩う。男の身体は病魔に侵されていた。しかし、彼女の空間に包み込まれると、痛みは全て消し飛んでゆく。それは漆黒の異様な個体が、一滴の光のベールに包まれ、浄化していくかのよう。男はその柔らかさとやさしさに浮遊する。二つの魂が重なり合い、無限の未来が輝きだす。
『The Battle Of Love』
“覚醒のエンドルフィン” はブレイン城ペプチド王の指令をじっと待っていた。だが、我慢できず口を開く。「王よ。このままではこの国の被害は増す一方です。一刻も早くコルチゾール軍を制圧すべきかと。」王は軽く頷いた。「わかっておる。エンドルよ。今回は “抱擁のオキシトシン” に任せておくのだ。」「今回の戦は彼女では荷が重すぎます。かなりの日数が経過していますし、ここは “彼ら” を参戦させてはいかがでしょうか。」眉間に険しさが広がるその顔は、縦には動かない。「奴らは諸刃の剣。町をも破壊しかねん。…今は、祈るのだ。守護神ソウルがバーニングゲートを開くまで。それにエンドル、おぬし自身の為にもな。」エンドルは片膝を着き、両手を胸の前で交差させた。「守護神ソウルよ。どうか我に解放を…」
「オキシ様!ジンの街を我らの3倍のコルチゾール軍が占拠しております!」オキシは皆が見える少し小高い丘に佇んだ。「ここまで私と共に皆良く戦ってくれました。ここが最も厳しい試練になるでしょう。しかし、敵はコルチゾール軍ではありません。彼らに取り憑いている “邪悪な魔導士ストーレス” の呪いから解き放ってあげることです。彼らに罪はありません。傷を付けてはなりません。今までも長い年月をかけ、最小限の被害でここまで進んできました。勝利は目の前です!我ら “抱擁のオキシトシン” の誇りにかけて!いざっ!」オキシは皆に対する鼓舞というより、自分自身に言い聞かせていた。状況は絶対的不利にも関わらず、引くことは出来ない。「守護神ソウルよ。我に抱擁を…」
両軍が正に対峙するその瞬間、岩場の陰から重たい風が吹き荒れた。土埃に紛れ強靭な肉体の軍団がオキシ前に立ちはだかる。そしてオキシには喜びと落胆が同時に押し寄せた。「よう、お嬢さん。楽しんでるかい?」彼女は髪に着いた土埃を払いながら精一杯の笑顔で答えを返した。「でもあなたたち “闘志のドーパミン” は過去に失態を犯して地下世界に追放され、軟禁されてたはずでしょ?」「あぁその通りだ。だが王自ら扉を開けに来たのさ。そこで俺はピンときたんだ。俺を必要としているのは王より、守護神ソウルだってな。」オキシは裏切りにも似た虚無感に覆われた。「おいおい、なんて顔してんだよ。いいか、守護神ソウルは俺たちにとって絶対的な存在だ。だが奴も成長するんだ。生きてるんだよ。愛に生きてぇんだよ。平和的に物事を解決出来ないときだってあんだよ。俺は自分でも我を見失う時がある。だから、これを見ろ。」ドーパは左目を指差し、オキシに覗き込ませた。そこには細かく機械的な動きをする蒼く無機質な瞳があった。「これはブレイン城の監視システムに繋がっている。俺たちの誰かがへまをすると、そいつはシャットダウン。つまりサヨナラって訳だ。」オキシはドーパに飛びつき、抱擁した。「自分に爆弾仕込むなんて、馬鹿じゃないの…」「俺たちは命令に背き、迷惑をかけた。その償いだ。さぁさっさとあいつらを蹴散らしちまおうぜ!」ドーパ軍は怒号をあげながら敵陣に駆け出す。「守護神ソウルよ!我に闘志を!」
ソウルは身動きが取れずにいた。潮騒の音が騒ぎ出す無数の雑音をかき消す。夕暮れの温かい空は雑念を取り払う。キャシーは僕の横で海に煌めくサンセットを眺めている。彼女のバーニングゲートはすぐそこにある。だがぴったりと閉じている。それを開くカギはどこにある?いや、お互いのゲートが触れれば開くはずだ。よし。ソウルはキャシーの手をより一層強く握りしめた。だが、手の震えは収まらない。
「ようし。だいぶ片付いたな。」ドーパはコルチを羽交い締めにし、オキシが両手をかざすと、黒い霧のようなモノが取り去られた。「案外楽勝だったなぁ。」「そんな調子のいいこと言ってると本部に通告しますよ。」やべえやべえ。そう言いながら左眼を閉じ、ぎこちないウィンクを披露した。戦場に笑い声がこだまする。しかし、それもつかの間の安らぎだった。「オキシ様!ジンの街の奥にある洞窟から見たこともない黒い毛に覆われたモノが湧き出て来ています!」「ドーパ様!スイの池やカン平原、チョウの塔からも堅い甲羅のモノやワーム状のモノまで這い出て来ているようです!」ドーパは大声をあげた。「クソッ!!そんな奴らとどうやって戦えばいいんだ!」オキシは跪き、両手を胸の前で交差させた。皆もそれに続き、祈った。「守護神ソウルよ…我に…」
やっぱりダメだ。僕には出来ない。そう思った瞬間、どこからか僕を呼ぶ声がする。「…護…ソウル…」「僕の名を呼ぶあなたは誰ですか?」ソウルの恐怖心は更に増してゆく。「ワシはあなたのしもべであり、王です。」彼の混乱は膨らみ続ける。「あなたの星であり、ワシの国はあなたの思い通りになるのです。あなたがネガティブな事を考えれば、邪悪な魔導士ストーレスが破壊の種を撒き散らしてしまい、結果、あなたの星を蝕んでいくでしょう。現にそれはもう始まっているのです。」ソウルはそれが真実であることに何故か疑いを持てなかった。「どうすれば僕は僕を守ることが出来るのですか?」「あなた自身の力では残念ながら不可能です。」彼の絶望感は魔物たちを更に強くさせてしまった。それでも王は語りかける。「あなたを救えるのはあなたの愛であり、キャシーの愛です。」ソウルに希望の陽が小さく燈り始めた。「互いのバーニングゲートを重ね合わせ、 “愛の銀河” を交流させるのです!あまり時間はありませんぞ!」彼は大きく息を吐き、彼女と視線を交えた。「守護神ソウルよ。我に希望を。」王はそう祈った。
オキシ軍とドーパ軍は当初の兵の半数を失っていた。漆黒の生物たちに取り囲まれ、じわじわと追い詰められている。その時、澱んだ灰色の空に一筋の黄金色に輝く光が流れる。そしてその光から無数の青白いオーラが舞い降りてきた。それを見たオキシは涙ぐみ、ドーパは両手を突き上げガッツポーズを。「おまたせおまたせ。」そこにはほのかに青く揺れる環の中に “覚醒のエンドルフィン” が立っていた。ドーパはエンドルと拳を突き合わせる。「お前が来たってことは、遂にバーニングゲートから愛の銀河が流れ込んできたってことか!じゃあ俺らもそろそろ…」彼らの左眼が灼熱の紅に変化し、透き通った赤い環が筋力を増した彼らを包んでいった。そしてエンドルを運んできた黄金色の光が旋回し、無数に枝分かれしながらオキシ軍に向かって伸びてくる。彼女たちは両手を横に広げ光を受け入れた。そしてその光が通過したと同時に分身が存在した。澄み渡った黄金色の光が全ての彼女たちを抱擁している。エンドルの頬が少し緩む。「愛の銀河の恩恵を受けた我らに敵うモノなど存在しない!ブレイン城からもどんどん援軍がやって来る!全ては守護神ソウルの為に!」皆のボルテージは最高潮に達した。そしてエンドルは自分にささやく「 …Rock’n’roll 」彼は空に舞い上がり、堅固な甲羅に青白いナイフのような閃光を数本打ち込んだ。亀裂が走る。エンドルはドーパの名を叫ぶ。岩場の上から飛び上がり前方に回転しながらスレッジハンマーを叩き込む。甲羅は粉砕され弾け飛び、ドス黒い粘着性を帯びた液体が流れ出た。すかさずオキシが分身と共に浄化作業を行う。3部隊の連携は見事であり、優勢に戦況を進めていった。
大きく切り立った崖の陰に黒い霧が揺らめいている。「まぁ今回の勝利は譲ってやろう。しかし俺はいつでも何にでも取り憑き、じわりじわりと蝕んでやるぜ。精々抗ってみな。」ストーレスは実体のない翼を広げ、崖の中に染み込むように消えていった。
ペプチド王は祈り続けた。かけがえのない戦士たちの為に。王国が平和であり続けるように。「守護神ソウルよ。我らに未来を。」
ソウルとキャシーは海が見渡せる丘の上にあるベンチにいる。二人は寄り添い互いの掌を重ね合わせ、そっと唇を寄せ合う。100年経った今でも二人の身体には “愛の銀河” が満たされ続けていた…
~Fin~
集約
- キスをすることで自分では得ることのできない生命の源を共有出来る
- キスはお互いの心の扉を開く鍵
- キスによって病魔を打ち払い、二人の楽園を生きる
今回の記事は以上になります。
キスは長寿に必要な栄養素☆スキあらばキス Part2 が皆さんの魅力の向上に貢献できれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
☆今日も貴方は素敵です☆