魅力向上委員会 shun です。
今回は、“皮がどのようにして革になるのか”、をメインに綴って参ります。
レザー製品になる生き物で代表的なのは、豚、牛、羊、鹿、馬、山羊、ダチョウ辺りで、エキゾチックレザーと呼ばれるものは、ワニ、ヘビ、トカゲなどがあります。
そしてその皮を革へと加工する職人たち、
彼らは…
タンナー Tanner
皮を革に加工する職人をタンナーと呼び、その工程を鞣しという。
なめしは漢字からも分かる通り、革+柔=鞣し
鞣しは英語で tan なので、Tanner となります。
そして、日本には皮革の4大産地があります。
「姫路・たつの地区」「東京墨田区」「和歌山」「埼玉 草加」
ではなぜこの地域で皮革産業が栄えたのか。それは、豊富な水源(河川)があったから。皮を鞣すには大量の水が必要で、その土地の水質によって出来上がる革の特性も違ってくる。
店頭に並ぶレザー製品がどこの産地かを調べながら手に取ってみるのも面白いと思います。
輪廻転生 Reincarnation
動物の皮は放置すれば徐々に腐敗していきます。しかし、タンナーによって革へと生まれ変わります。ではその軌跡をご紹介いたしましょう。
- 国内外から塩漬けされた原皮が工場へ運ばれる。
- 付着している汚物や血液をすすぐ為、水洗いをする。
- 石灰に漬けて皮を膨らませ毛を抜き取る。毛を抜き取った面が表面(=銀面)になる。
- スプリッティングマシンと呼ばれる分割機で銀面(表面)と床面(裏面)の2層に分ける。
- ドラムやピットを使い、鞣剤を浸透させ、耐熱性・耐久性を与える。塩基性硫酸クロム → クロム鞣し、植物性タンニン剤 → タンニン鞣し
- 1頭の革を背筋に沿って半分に切り分ける。
- 鞣した後の水分を専用の機械で絞り出す。
- 傷などをチェックし、等級に分ける。
- シェービングマシンで厚さを均一にする。
- 染色や油脂で柔軟性を与える加脂、再鞣しなどを行う。
- セッティングマシンで染色された革の水分を取り除き、同時に伸ばす。
- 革を乾燥させる。自然乾燥、真空乾燥、熱風乾燥、ガラス張り乾燥など。
- バイブレーションステーキングマシンで革をほぐし、柔軟性や弾力性を与える。
- カタチを整える為、クリップでネットに張り付け、乾燥させる。
- バッフィングマシンでサンドペーパーを掛け、滑らかにする。
- スプレー塗装機で、色、艶、耐久性を加える。
- アイロンで革を伸ばし、艶を出す。
- 革に様々な模様付ける為、型押しを行う。
- 完成した革の品質を最終チェックする。
- 革の面積を計量する。(単位はデシ)
- 梱包し、出荷される。
※各タンナーによって扱う皮や工程が独自にあるので、ここでは姫路の皮革(牛革)の資料を参考にさせていただきました。
タンナーの手により、皮が革へと変革する。
新たな命を吹き込まれ、そのオーラを帯びたレザーは持つ人の魅力を引き出す。
字の如く、正に《革命》成り。
集約
- 産地ごとに特色があり、水質・水源が大きく係る
- 全てのレザーの原点はタンナーによって生み出される
- 生命の奇跡に感謝し、魅力を高める恩恵を得る
今回の記事は以上になります。
大人が知るべき、タンナーにより皮が革に成る軌跡が皆さんの魅力の向上に貢献できれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
☆今日も貴方は素敵です☆